最近はMIに基づく治療がスタンダードになってきており、
国家試験にもそれが反映されてきました。
参考文献
実際の問題を見てみよう
例えば
112回D73
60 歳の男性。上顎左側第一大臼歯の修復物表面の粗造感を主訴として来院した。45 年前に齲蝕治療のため直接修復を受けたという。エックス線検査の結果、齲蝕や修復物の破折を認めなかった。歯髄電気診で生活反応を示した。初診時の口腔内写真を別に示す。
適切な処置はどれか。1 つ選べ。
a: 修復物の研磨
b: メタルインレー修復
c: レジンコーティング
d: コンポジットレジン修復
e: フッ化ジアンミン銀塗布
答えはaです。
この問題は結構、僕の周りでは答えが割れた問題でした。
正直、僕は迷わずaを選びました。
なぜなら、
患者さんは
「粗造感」を訴えており「齲蝕はない,生活反応はある」ので歯を削る意味はないですね。
それはaしかないと思ったからです。
もし、
主訴が「見た目が気になった」とか
「齲蝕が認められた」と記載されていたら
答えはdです。
メタルインレーは間接法であり余計に歯を削るためです。
「でも、修復する面積が大きかったらメタルインレーじゃないの?」
って思ったあなた!
そうかもしれないですね!
一応、う蝕のガイドラインでは隅角を越える場合は直接法のコンポジットレジンは難しいと書いてます。
う蝕のガイドライン第2版p144から引用
なので、
「隅角を越える場合で、齲蝕がある」
ならメタルインレー(間接法のもの)が答えになるかもしれないでしょう!
「なるかもしれない?ふざけんなよ!」
って思う人もいるかもしれないです(笑)
今回の場合はアマルガム修復であるので、隅角が越える症例はまずないですけど。
材料が進化しているのでメタルインレーを答えにする問題は難しいと思います。
メタルインレーは強度が強いのが売りですけど、
他の材料も強度が強くなっているので選択肢を作るのが大変でしょ?
なので、
Q「何の治療をしますか?」
A「コンポジットレジン修復」
みたいな簡単すぎる問題が減りましたよね。
また、隅角を超えたらインレーって判断する問題は出にくいでしょう。
このぐらいのメタルインレーも除去してコンポジットレジン修復にしているので(笑)
出るとしたら、それなりのヒントを書くでしょう。
なので、メタルインレーも答えになるかもですね。って感じです。
この画像の実際の問題
48 歳の女性。下顎左側第一大臼歯の一過性の冷水痛を主訴として来院した。検査の結果、齲蝕が認められたためコンポジットレジン修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(A)、エックス線画像(B)及び処置中の口腔内写真(C)を別に示す。
次に行う操作で正しいのはどれか。2 つ選べ。
a: シランカップリング処理
b: レジンコーティング処理
c: 金属接着性プライマー処理
d: セレクティブエッチング処理
e: セルフエッチングプライマー処理
答えはde
ちなみに、全ての選択肢「処理」なのも最近の国家試験っぽいですよね(笑)
「メタルインレー」
を治療の選択肢と入れるメリットがあまりないです。
なので答えにしにくいです。
臨床問題の基本
こういう問題は
まずは
「主訴」を考えて
次に
「歯を削らない選択肢」
を選びましょう。
これが国家試験の基本です。
しかも、近年の材料の進化から
「この症例はコンポジットレジン修復やろ!」
みたいに簡単選べない現状です。
なので、
文中に「主訴」や「検査結果」を書きます。
それから判断させる問題が増えてます
それを意識して勉強してみましょ🎵
おまけ
提示した問題は画像なんていらなくても解けます(笑)
112回D73
60 歳の男性。上顎左側第一大臼歯の修復物表面の粗造感を主訴として来院した。45 年前に齲蝕治療のため直接修復を受けたという。エックス線検査の結果、齲蝕や修復物の破折を認めなかった。歯髄電気診で生活反応を示した。初診時の口腔内写真を別に示す。
適切な処置はどれか。1 つ選べ。
a: 修復物の研磨→粗造感直るやん!
b: メタルインレー修復→アマルガム削って、歯も削るやん
c: レジンコーティング→うーん。関係ないやん
d: コンポジットレジン修復→粗造感なくすためにアマルガム削って修復するか?
虫歯もないのに
e: フッ化ジアンミン銀塗布→えっ、歯が黒くなるやん
って感じで解けます(笑)
わざわざ、画像を載せて文章を増やして
時間を割かせる作戦です。
112回目の国家試験はそれが本当に増えました!
解くスピードをあげるために問題演習頑張って下さい(^-^)v